直感は正しい!が、タイミングや心理状態が大切

多くの可能性を考えて、論理的に考えたほうがいいのが、直感で瞬間的に判断したほうがいいのかって議論は昔から行われています。

 

ただ、近年になって「直感」で考えたほうが正しい時もあるという説が優勢になってきた印象があります。

直感の方が3倍も正しい決断ができる

2009年に「Psychological Science」誌で発表した研究[1]では、サッカーに詳しい人とそうでない人を混合した3つのグループを作り、複数のサッカー試合の結果を予測させる実験を行ったんですね。

ただ、ポイントなのが、グループごとに予測する方法を分けたこと。

 

1つ目のグループ:試合について2分間、じっくり考えて予測する
2つ目のグループ:できる限り早く予測する
3つ目のグループ:試合とは関係ない記憶力を必要とする課題を行ってから、予測する

 

その結果、3つ目のグループの方がほかのグループに比べて「3倍」以上も予測を的中させることができたんです。

 

最初の2つのグループは、少なくとも考える時間があり、サッカーに詳しい人がいるのにも関わらず、ランダムに大差ない結果だったという。

 

一方で、3つ目のグループは記憶力を使う課題のせいで、試合結果を考えることがぼぼできず、直感で判断するしかなかったのです。

 

研究者はこの現象を「優先順位付けの失敗」(weighting mistake)という言葉を使って説明しています。どちらが勝つかといった、優先順位を付けるような選択で人間は「合理的に考えることができなくなる」とい言います。

 

勝ちそうなチームを予測したのはいいものの、それを選ぶ理由が適当だったり、「どこかで妥協して」フワッとした確証のない状態で決断することが多い。なので、深く考えてもそれが的中することは少ないと結論づけています。

簡単な決断よりも複雑な判断の方が役に立つ

また、この研究をおこなった研究者は、他にも中古車を選ぶ実験[2]も行なっていて、被験者に4つの中古車について説明を行なったんですね。その中で、1台は客観的に見て「お買い得」な車だった。

車の説明が、4つの車から選ぶという「簡単な判断では」では、50%以上の人がベストな車を選ぶことができたんですね。そして、先ほどの研究のように、パズルをやらされた上で、突然選択するようにした人は、ほぼ正しい車を選ぶことができなかったんです。

 

しかし、12の車について48の特徴について説明を行い、どれがもっともいい車か選ぶ「難しい判断」でのテストが行なわれた。具体的には、

 

  1. トランスミッションの質
  2. 燃費
  3. トランクのサイズ
  4. カップホルダーの数

 

などの車の性能について選択者により多くの情報を与えて、複雑な判断したわけですね。その結果、じっくり合理的に考える時間を与えられた参加者のうち、ベストな条件の良い中古車を選ぶことができた人は25%に満たなかったのです。

 

これは、ランダムに選ぶ場合よりも低い確率。。

一方で、考えるヒマが与えられなかった被験者では、ベストな中古車を選んだ確率が60%近くになったんです。ここでも2倍以上の開きが出ておりますね。つまり、複雑な選択であればあるほど直感の方がいいパフォーマンスを発揮すると考えることができそう。

 

なぜこうした現象が起きるのか具体的は分かりませんが、研究者は以下のように言及しています。

もちろん、「無意識の判断」がすべての場合において勝るとは言えないだろう。それでもこの研究は、無意識は、われわれが理解しているよりも賢い場合があることを教えてくれる。われわれがつまらない家事やくだらないパズルをしている間に、無意識はフルに活動してさまざまな情報をふるいにかけ、最良の車や優勝チームを判定しようとしているのだ。

 

無意識にすべて委ねることはできないですが、時にじっくり考える時よりも圧倒的に正しい判断を下すことがあるんです。うーん、これをコントロールできれば驚異的な判断力が手に入れられそうなのですが。。

不安な人は直感が効かない

実は別に研究では、直感が当たらなくなる原因というのもわかっていて、ベルリン自由大学から出てた論文が参考になります。[1]

 

111人の学生を対象にした実験では、では「国際情動画像システム(IAPS)」という技術を使って、参加者に複数の写真を見せたんですね。このシステムは小動物を見せて、被験者をリラックスさせたり、残酷なイメージを見せて不安を誘ったりするために良く使われる画像データベース。

 

これを使って「感情の状態がどれだけ直感に影響するか」を調べたわけです。実験では、3つの単語を見せて「関係性があるか」を参加者に質問しました。

 

たとえば、「木、虫、緑」だったら「森」というつながりを見つけられますが、「机、空、土」の場合、関係性がありません。こうした3つの単語を瞬時に見せられて、2,000ミリ秒のあいだに判断してもらったわけです。

 

これは、ほぼ考えるヒマがない状態。つまり、直感で判断しなくてはならないようにして実験をおこないました。ちなみに直感の正しさを測るために「直感インデックス」という指標を使っています。その結果、

 

ポジティブ感情、またはニュートラルな感情の人
⇒直感インデックス「11点」

不安な感情の人は、
⇒直感インデックス「2.84点」

 

という感じになりました。つまり、不安な人の方が圧倒的に直感が聞かなくなってしまうわけです。不安な人ほど、深く物事を考えがちなので、直感が働かなくなってしまうのです。

 

じゃんけんで「絶対に勝つ!」という自信をもって行うと勝率があがるのもこれが影響しているんですかね。なにはともあれ、直感力を高めるには、不安対策が重要ってことですね。

まとめ

そういうわけで、直感の方が圧倒的に正しい時があるものの、簡単な選択をする時や不安を感じている時は、うまく機能しないということです。ちなみに不安へ対処する方法は当ブログでもいくつか書いてますので参考にしてみてください。

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