心理療法ACTで「苦痛を受け入れる」メンタルを作ろう

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てっしー

23歳のACT(アクト)実践者。一言もしゃべれなくなる場面緘黙症と、対人不安を克服し、コミュニケーション系のライターとして活躍中。詳しいプロフィールはコチラ

あなたは、避けられない苦痛を受け入れ、価値に向かって行動していますか?

 

私がACTと出会ったのは、2016年の春のこと。

 

私自身、かなり不安症はタイプで、特に人と話すことが苦手ででした。どれくらい苦手だったかというと、家の外では一言もしゃべれなかったほどです。

 

何かを伝える時は、身振り手振りを使っていました。これは私がまだ小学生で幼いころの話しですが、成長して声を出せるようになっても、周囲の目を気にして自分を抑えることが多くありましたね。

 

遊びや飲み会などの場では毎回「大丈夫?」と心配される感じ。

 

また、上司の目が気になって恐怖を感じ、仕事でミスを連発することも多々ありました。2016年の春までは、こんな自分が社会でやっていけるのか・・・、と日々を不安を抱えながら過ごしていた。私のメンタルはボロボロの状態でした。

 

そんな時に、ある1冊の本をインターネット上で見つけたことにより、僕の考え方や価値観が一変します。

幸福になりたいなら、幸福になろうとしてはいけない・・・、だと?

 

そのタイトルに衝撃を受けたものの、半信半疑で購入しませんでした。かわりに、本のサブタイトルである「心理療法ACT」をグーグル先生で調べることに。私はそこで、さらなる衝撃を食らうことになります。

 

・ポジティブシンキングは逆効果になることもある
・人生は苦痛そのものだ
・思考と現実を切り離せ
・価値を明確にせよ

 

などの情報が出てきました。ACTってなんだ・・・もっと詳しく知りたい!

 

強い興味に駆られた私は、アマゾンのページに戻り「幸福になりたければ、幸福になろうとしてはいけない」を購入することに。そして、読んだ。穴が空くほど読んだ。(空いてない)

 

まさに私のために書かれたような本で、今でも人生のバイブルとして愛読しています。

 

一つ、一つACTを実践していく内に、「不安や恐怖を感じたまま、行動すればいいんだ!」という姿勢に変わり、今ではかなり自由になった感があります。自分が本当にやりたいことも、とりあえずは明確になった。

 

いままで避けてきた人とコミュニケーションを取ることにも、積極的になることができ、一言も話せなかった人間が、今では初対面の人と談笑することができるまでに。(これは個人的には大きな成果だなぁと)

 

また、それから2ヶ月後、コールセンターに転職した私は、TOPの営業成績を残すことができました。

 

心理療法ACT(アクト)。不安や恐怖の感情に飲まれず、自分の価値に向かって行動することができるようなる方法です。前置きが長くなりましたが、以下ACTとは何か詳しく説明していきます。

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心理療法ACTとは?

ACTとはAcceptance&Commitment Therapy(アクセプタンス&コミットメントセラピー)の頭文字を取った略称。

 

自分の「価値」を明確にし、それに沿って行動することで意味のある人生を生きようとするものです。

 

心理学者のスティーブン・ヘイズ博士が生み出したテクニックで、主にうつ病や不安障害の治療の活用されています。1980年代から登場した、不快な体験に対してオープンになれるように促す新しい考え方です。基本的には、

  • アクセプタンス
  • マインドフルネス
  • コミットメント
  • 行動療法

この4つの要素を組み合わせていくものです、第三世代認知行動療法と呼ばれており、かなり最新の心理療法。認知行動療法は以下のように進化してきています。

 

第一世代:恐怖に慣れる
行動を変えて恐怖を克服しようというのが始まりで、エクスポージャーのようにあえて、不安と向き合うことで克服させるシンプルな理論。高所恐怖症なら、すこしづつ高いところに登らせて徐々に慣らしていく感じです。

 

第二世代:考え方を変える
今まで行動に視点を置いていた心理療法に「認知」の要素が加わった感じです。不安のもととなるスキーマを修正しましょうというのが基本的な考え方。

 

第三世代:考え方を受け入れる
思考をそのままにして行動を変える。第二世代の修正しなくなったバージョンです。代わりにアクセプタンスを習得することで不安を抱えながらも、価値ある行動に向かうメンタルを目指す。

 

自分の人生に背を向けて生きると、毎日がつまらないものになり、メンタルヘルスに悪影響を及ぼします。

 

そこで、自分が求めるものを明確にして、それに向かって行動することを目指します。ただ、新しいから効果が大きい!というわけではなくどの方法でも効果はあります。要は使い分けが大切ってことですね。

幸せを追いかけるほど不幸になる

幸せになろうと頑張るほど、逆に幸せは逃げてしまうというのがACTの1つの考え方。

 

「幸せになるぞ!」と考えるほど、逆に現状の不幸なことに目が行きやすくなり、虚しさを感じてしまうんですね。

 

実際に、2003年のダン・アリエリー博士の研究では、「幸福な気分になろう」と思って曲を聴いた被験者は、普段通り曲を聞いた被験者よりも、幸福度が450%も下がってしまったとの結果が出ています。

 

幸せを追い掛けるという行為は、現実逃避に終わってしまうことケースが多め。一時的に気分が良くなっても、最終的には幸福度が落ちてしまうわけです。

 

例えば、休日にディズニーランドを楽しんでも、翌日になれば現実に引き戻されて辛くなるみたいな状態。

 

また、不安や恐怖を押し殺そうとしたり、強引にポジティブシンキングすることも、「幸福を追いかける」ことに当てはまります。

 

このような、幸せを追いかけて現実逃避することをACTでは、「コントロール戦略」とよびます。自分の思考や感情をコントロールして、抑えれば抑えるほど思考や感情は逆に増えてしまうんですね。 

そこで、重要なのが苦痛をそのまま受け入れること。

苦痛だらけの世の中だと、あえてマイナスに考えることで、幸せの基準が下がり、小さな幸せに目を向けることができるようになります。

 

その結果、苦痛を受け入れる度量が身につき、幸福感が上がるわけです。

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アクセプタンスとは何か

ACTでは感情や思考はコントロールできないが、行動は制御することができるという立場をとる。例えば、以下のゲームにチャレンジしてみてください。

 

ピンク色の像について1分間、絶対に考えないでください。

どうでしょうか。

 

人間の脳は何かを禁止されるのが、ものすごく嫌いで、「〜してはいけない」と思うほど、「したくなって」しまいます。

 

そこで、強引に思考や感情を抑えようするよりよ、受け入れた上でやるべきことに集中していくのが良いわけですね。

 

「受け入れる」とは何かというと、不安や恐怖などの感情に良い悪いといった評価をせずに、現れるままに捉えること。

 

雲の動きを眺めるようなイメージで感情や思考を観察するのです。あくまでも、感情や思考は「自然現象」である捉えて、「お、また不安があるな」とそのまま認識していけばOKです。

 

不安や恐怖といった感情は何百万年という時間をかけて遺伝子レベルで刻みこまれた仕組みの1つなので、それを消そうとしても無理なわけです。なので、コントロールしようとするのではなく、ただ観察することを意識していきます。

 

1つの感情を感じ続けることができないのも人間の性質。

観察していくうちに、不安や恐怖などの感情も静まっていきます。今に集中するマインドフルネスの概念を使って感情にとらわれないメンタルを保つわけです。

 

「アクセプタンス」とは思考や感情をそのままに捉えて、受け入れている状態のことを意味します。

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「脱フュージョン」で恐怖と現実を分ける

ACTには、「思考のほとんど正しくないので、真剣に耳を傾ける必要はない」という考え方があったりするんですが、ACT提唱者1人であるラス・ハリス博士は次のような名言を残しています。

 

思考は単なる物語にすぎない

 

人間の悩みの8割は現実にならないという話しがありますが、私たちの思考はほとんど当てならないんですね。

 

しかし、恐怖や不安は人の本能的な仕組みなので、危険を感じた時には必ず浮かんできてしまいます。この時、極端で正しくない考え方に捉われてしまうことけっこうありますよね。

 

例えば「自分はダメな人間だ」などです。特に大きな失敗をして責任を感じている時は、こうした思考と真剣に付き合う人がほとんど。

 

ただ、完全にダメな人間などこの世に存在しないことが冷静に考えればわかるはずです。正しくは「良いところもあり、悪いところもある」が適切でしょう。

 

極端な考え方を真剣に捉えると、本気で「自分はダメな人間だ」と思い込んでしまい、メンタルヘルスに悪影響を及ぼします。この現実と思考が入り混ざった状態を「認知的フュージョン」と呼びます。

 

極端な思考を真剣に捉えたせいで、正しく物事を考えることができなくなってしまうんですね。

そこで「脱フュージョン」というテクニックで、思考と現実を分けるのです。やり方はいくつかありますが、一番簡単なのが「〜と思った」を思考の後ろにくっつける方法です。

 

「自分はダメな人間だ、と思った」

 

という感じです。「〜と思った」をつけることで、現実と思考に距離が生まれら感情や思考にとらわれることがなくなります。

 

その他にも「感情をキャラクター化」するといった手法も存在します。

 

「不安がまた〇〇と言っているな」

 

みたいな。これらのテクニックで不安を客観的に見ることで、囚われることが少なくなります。

 

また、脱フュージョンを行う時の注意点としては、思考や感情を「悪者」だと考えないことです。むしろ「いい情報を提供してくれてありがとう」と感謝することが大切です。

 

すると、感情をそのままを受け入れられるようになり、「認知的フュージョン」も起りにくくなるんですね。

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価値観とは

ここまで見てきたように、ACTでは不安や恐怖を感じたままで構わないので、価値に向かって行動することを目指すもの。

 

では、その「価値」とは何を意味するのでしょうか?

 

価値観とは、「一生かけてやり通したいこと」です。例えば、

  • どんな人間でありたいか
  • 周囲とどんな関係を構築したいか
  • どんなスキルを身につけてたいか

などです。達成したら終わる「目標」などではなく、心の底にある欲求やモチベーションのことを言います。

 

この価値観さえ明確になれば、あとはそれに沿って行動してくのみ。

 

例えば、「他人に貢献して、自分も成長する」という価値観を持っていれば、他人にプレゼントをする習慣をつけるのです。

 

ただ、今までやらなかったことをする時は、必ず不安や恐怖の感情が生まれて、行動するのをやめさせようとします。

 

ここで「アクセプタンス」や「脱フュージョン」の出番です。上手く感情と距離とり、価値に向かって行動することだけに集中していくんですね。

 

自分の価値を明確にしておくと日常生活の様々な面でプラスに働きます。

 

ストレスを力に変えることができたり、今まで無意味だと思っていたことに意味を見い出し、やる気をアップさせることもできるのです。

 

具体的には、「今感じているストレスは自分の価値に向かうために必要なものだ!」と考えることで、ストレスホルモンである「コルチゾール」が、パフォーマンスを上げてくれる「DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)」に変化することが分かっています。

 

また、私の価値観の1つに、心理学テクニックの習得があります。

 

この価値観をもつようになってから、無意味だと思っていた人との雑談に意味を感じられるようになりました。

 

ちなみに価値観を明確にする方法は以下の記事で詳しく説明していますので、参考にしてみてください。

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ACTが目指す最終地点とは

ACTが目指すのところは、「柔軟なメンタル」を手に入れること。

 

これは心理的柔軟性と呼ばれており、○○してはならない!というように制限をかけずに不快なことも受け入れるのです。

 

そのために必要な要素は6つあって、以下のようは六角形で成り立っているんですね。

簡単にまとめると、

  1. 苦しみに気づく
  2. 苦しみを受け入れる
  3. 価値を明確にする
  4. 行動する

基本的にはこの流れを実行していくとOKです。ACTは生きていく上で避けられない苦痛を受け入れることで、ストレスが軽減するという考え方があります。

 

ACTの生みの親であるスティーブン・ヘイズ博士は以下のように述べています。

苦痛から逃げようとするから、苦しいのだ。

つまり、取捨選択をしていくってことが大事なんですね。変えられないものは受け入れ、変えられるものをどう変えるかという意識がとても大切です。

 

ACTは「思考や感情を変えられないけれど、行動は変えることができる」という立場を取ります。

 

不安を無理に取り除くのではなく、受け入れて、価値のあること行動するという流れができていれば、ACTの目指す柔軟なメンタルを作ることができるのです。

 

また、先ほどの六角形を使うことで、今の自分のメンタルに何が足りないかを把握することも可能。

 

例えば、瞑想脱フュージョンなどを行って自分の観察する力やアクセプタンス、受け入れる力は十分に備わったと。

 

ただ、自分にとって価値あることがわからない時は、自己分析にも使うことができます。

 

そしたら、できるだけ価値のあることを見つけるための行動を増やしていくようにすれば良いというわけです。

 

このように足りない行動を増やし、無駄な行動を少なくするためのガイドラインとしても使えるんですね。

実践しよう

さて、ACTとはどんなものかなんとなくイメージできましたでしょうか?避けられない苦痛を受け入れ、価値に向かって行動することでメンタルを安定させることができます。

 

まずは、ACTの主要なテクニックである「脱フュージョン」から練習していくと、感情を押さえ込まない柔軟なメンタルを築くことができるでしょう。

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