認知行動療法の要「ケースフォーシュミレーション」とは

 抑うつ症状が強くて、認知行動療法を始める場合に一番最初にやるべきは、問題の洗い出しです。

 

どういった問題が抑うつ症状を引き起こしているのかを探っていくんですね。

うつ症状や不安の強さを量る

敵を知らねば、戦略も練れん!ということで、うつの度合いや不安の強さを把握していきます。一般的に認知行動療法で使われている心理テストを紹介します。

1.うつ症状を調べる

BDI(ベックうつ病調査票)

QIDS-J(簡易うつ病症状尺度)

 

こちらはすべて無料で使えます。どちらかというと、QIDS-Jの方が項目数が多く詳しくうつ症状を量れるかと思います。

2.不安の強さを調べる

STAI(状態-特性不安尺度)

MAS(顕在性不安尺度)

K6(精神健康)

 

上2つは有料です。認知行動療法で使われているような不安尺度は有料のものが多かったんですよ。なので、無料のものを探しておきました。ただ、正確さはあまり期待できないかも。

問題リストの作成

次に問題リストってものを作っていきます。問題リストを作ることで自分が、いま抱えている問題を知ることができます。

 

仕事や恋愛、過食など思い当たるジャンルについて問題を書いていくんですね。例としてはこんな感じ。

仕事上の問題:入社したばがりで、右も左もわからずに途方に暮れることがある。しかし、自分以外の同期はみんなテキパキと仕事をこなしている。自分は無能なんじゃないかという自動思考が生まれる。

 

抑うつの問題:BDI=20 自己嫌悪、抑うつ気分、集中力の低下、焦燥感

 

不安の問題:STAI=35 仕事から逃げたくなる、周りから目が気になる

 

恋愛上の問題:恋人の会っても愚痴ってばかりで、一緒にいる時間を楽しめていない。こんな情けない自分に嫌気がさして、別れようと思ってないか不安。

 

過食の問題:深夜にドカ食いしてしまう。一人で深く悩んでしまった時にどうしようもなくなって食べる。

問題の関係性を探る

で、問題をいくつかあげたら、図式化していきます。自分の問題がどういった症状の原因になってるかを探っていくんですね。これは、ケースフォーシュミレーションと言うもの。

 

自分の問題がどういう風にメンタルに影響しているかをモデル化していくことで、今抱えている問題とその原因を具体的にしていくわけですね。

 

認知行動療法のスタート地点を知るためにこれをやります。

 

まずは、最近を起きた「ネガティブなライフイベント」について考えていきます。

 

  • 職場環境が変わった
  • 上司に仕事のやり方を詳しく教えてもらえない
  • 恋人からのサポートが得られない

 

などなど。

 

で、次にネガティブなライフイベントから考えられる、自分のスキーマを挙げていきます。スキーマは3つありまして、「自己」「世界」「将来」の観点から自分の信念を考えていくんですね。

 

自己:自分のことをどう思っているから

世界:世の中、この世界のことをどう思っているか

将来:将来についてどんなイメージを持っているか

 

っていう意味があります。これを先ほどの例を使って書いていくと、

 

自己:自分には能力がない。なにをやってもダメなんだ

世界:自分以外の人間はみんな優秀で、何でもそつなくこなす

将来:何事にも希望がもてない。職を失うかも。

 

このスキーマからが原因で先ほどの問題リストで挙げた問題が起こっていると。で、こいつを元に問題どうしの関係性を考えていくんですね。

 

スキーマ→仕事、恋愛→不安(抑うつ)→過食

 

スキーマが仕事上の問題と恋愛の問題を引き起こし、それが不安症状につながり、不安が原因で過食が起こっていると。

 

このように関連性を見出すと、まずはどの問題から片づけたらいいか優先順位が分かります。この人の場合は、まず仕事上の問題からですね。

 

ただ、ケースフォーシュミレーションはあくまでも仮説です。

 

ここから実生活の中で、「自動思考」を捕まえたり、「認知の歪み」を修正したりするんですが、その中で「ちょっとスキーマが違ったなー」と思ったら、また改めて考えていきます。

 

漠然した不安感を抱えているひとは、まずは、ここから始めてみるのもいいかもしれません。

 

社交不安とかで、自分がこういう状況で緊張してしまうというのが既にわかっている場合にはちょっと遠回りかなというふうに思います。

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