不安障害を克服する「エクスポージャー」の正しい使い方

以前、エクスポージャーをすると恐怖を克服できますという記事を書きました。

 

ただ、エクスポージャーにもいくつかやり方がありまして、もしやり方をミスってしまったら逆効果にもなるんですね。

 

今回は、正しいエクスポージャーのやり方について具体的に解説していこうと思います。

エクスポージャーの種類

エクスポージャーは恐怖を段階的に克服していくだけのものだと思われがちですが、基本的には2つのやり方があります。

 

1.イメージエクスポージャー

これは、恐怖体験を思い出しながら話す、もしくはイメージングするって方法。恐怖が強すぎて、現実でエクスポージャーができない場合には想像から入ります。

 

イメージエクスポージャーをする前と後でどんな変化があったかを記録していきます。

 

最初は、強い恐怖感に襲われるかもしれませんが、やってくうちにどんどん恐怖感が和らいでいくのがわかるはずです。

 

誰かに話す場合は音声に録音して、何回か聞き返します。また、その録音を聞いている最中に、自分の体の反応や変化を記録します。

 

例えば、首がすくんでしまう、手が震える、呼吸が早くなるなど。

2.in vivo(インビボ)エクスポージャー

こちらは、現実の世界で、不安や恐怖を感じる場面を体感する方法ですね。

 

恐怖を感じるを行動を実行した後に、不安や恐怖が100%中何%かを記録していきます。エクスポージャーと言って思い浮かぶのは、このin vivoエクスポージャーですね。

 

また、恐怖感が強い場合は写真をひたすら眺めるっていう手段を取ったりします。写真をを使ったものはイメージだと思われがちですが、イメージエクスポージャーはあくまでも頭のなかで完結するもの。

 

実際に、物を使って視覚に訴えかけているので、写真をつかった方法はin vivoなんですね。

認知行動療法と組わせたエクスポージャー

さらに認知を修正していくもの含めた、認知行動療法のエクスポージャーが2つあります。

1.持続エクスポージャー

持続エクスポージャーは主にPTSDの治療に有効な方法。主にイメージとin vivoの二つを使っていきます。

 

まずは、イメージエクスポージャーで、恐怖に慣れさせえていき、徐々に現実でエクスポージャーをしていきます。

 

で、これらのエクスポージャーを一度だけではなく、繰り返し、持続的に行っていきます。

2.曝露(ばくろ)反応妨害法

こちらは、回避行動や安全確保などを取らせないようにして、恐怖や不安を伴う行動をさせるという荒療治。

 

これまで、恐れていたものや、避けていたものに向き合う「曝露」

その物事を回避したり、強迫行為を取らせないようにする「反応妨害」を組み合わせたもの。

 

主に、不安障害に対して有効な方法です。なので、コミュ障や人見知りなどの社交不安を直したい場合には「曝露反応妨害法」を使っていくと良いわけですね。

 

逃げられない状況に追い込んで、恐怖を克服してくわけですね。

不安レベルを把握する

基本的にはエクスポージャーをやっていく際に「不安階層表」というものを使って、不安のレベルが低いものからやっていくんですが、その表を作る際に、参考にする基準があります。

 

「SUDS(サズ)」というものでして、状況に対して、どれだけ不快で恐怖を覚えるのかを0から100の数値で示したものです。

 

0は不安も恐怖も何もなく完全にリラックスしている状況、100は今まで生きてきた中で一番、恐怖や不安を感じた状況と同じ、もしくはそれ以上と考えていただければと。

 

0…完全にリラックス
30…すこし怖い
50…かなり怖い
80…すごく怖い
100…究極に強い恐怖

 

このサズをもとに「不安階層表」作って行動プランを練ります。

パニックに陥らないためのリラクゼーション法

で、エクスポージャーに必要不可欠なのが緊張を緩めるリラクゼーション法。実際にお医者さんを受診してエクスポージャーを行う際も、まずはリラクゼーションの習得から始まるケースが多いかと。

 

実際に曝露する際に、パニックに陥ってしまっては本末転倒なので。ここでは、いくつかのリラクゼーション法を挙げていきましょう。

1.漸進的筋弛緩法(ぜんしんてききんしかんほう)

目をつむって、全身に力を入れて、一気に力を抜く。というのを繰り返していくんですね。体の反応に意識を向けて、最も筋肉が緩む状態を認識します。

 

この緩んだ状態を自分でコントロールし、再現することで筋肉の疲労などを緩和させるわけですね。

2.自立訓練法

公式1:手足が重くなる

まずは、利き手がズーンと重くなるイメージをします。心の中で「利き手が重い」とひたすらつぶやくんですね。重みを感じた、同じことを逆の手、右足、左足とやっていきます。

 

公式2:手足が暖かくなる

次に公式1の暖かいバージョンを行っていきます。同じように「利き手が暖かい」と心の中でつぶやきます。本当に暖かみが感じられるまで、繰り返していきます。同じように逆手、右足、左足とやっていきます。

ここまで来たら、かなりリラックスしている状態です。

 

消去動作

これらは、一種の自己催眠なので、そのまま放置しているとぼーっとしてきたり、ふらふらすることがあります。終わる際には必ず「消去動作」をしましょう。

 

  • 両手をグー、パーしまくる
  • 首や肩を回す(回しすぎ注意)
  • 大きく伸びをして、深呼吸をする

 

自立訓練法は本来、6公式まであるんですんが、2公式まででもリラックス効果は十分に得られます。詳しく知りたい方はこちら

3.呼吸法

基本的には、鼻から4秒吸って、口から6秒吐く。

 

なぜ、口から吸うのがNGかというと、ダイレクトに細菌が入ってきちゃうからなんですね。鼻であれば鼻毛があるので、そこまで悪影響を受けません。

 

当ブログでは他にも、

https://teshy-psy.com/2017/04/21/tactical-breathing/

https://teshy-psy.com/2017/09/18/systema-breathing/

などを書いてますので、こちらもご参照いただけばと。

 

というわけで、確実に不安障害やトラウマを直すには、リラクゼーション法と適切なレベルの設定が必要です。自分の不安症状によって適切なエクスポージャーの種類を実践していることも重要なんですね。

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