自信をつける心理学的な方法とそのデメリット

 自信を付けたいという人は多いですが、なかなか難しいのも事実。心理学の立ち場から見れば性格は変えなくてもいいのではないかという話もあります。

 

というのも、自信がないメリットもあるので、自分の性格をどう生かしていくかを考えた方が良いかもしれません。

 

ただ、それでも自信を付けたい場合には、できないこともないです。ただそのデメリットを踏まえた上で考えてみてください。今回は「自信は付けるべきか」をテーマに話を進めていきます。

自信や性格は遺伝で決まる

素の性格は遺伝で決まってくることが分かっています。遺伝子レベルで刻み込まれた性格はなかなか変えることができません。

 

性格について遺伝の関わりは約50%です。安藤博士の研究では、1万組のふたごを対象にパーソナリティ検査や能力検査などあらゆる面からアンケートを行い、遺伝と環境がどれだけ性格に関わってくるのかを調べたわけです。

 

心理学的にもっとも信頼できる性格分析「ビックファイブ」を使って性格を調査しました。

 

ビックファイブとは「怒りっぽいと短気」は「怒り」といった具合に、性格を表す似たもの同士の言葉の一つにまとめていくことで作られた性格分析。最終的に以下の5つの性格に集約されました。

 

神経質:緊張しやすか、不安を感じやすか
外向性:人と積極的に関わるかどうか
開放性:新しいことにチャレンジするか
協調性:人と協力するか、マナーや配慮をするか
勤勉性:物事に対して真面目に取り組むか、意志が強いか

 

そして、遺伝と環境がこの性格分析にどれだけ影響を与えるかを調査した結果、以下のような割合になったんですね。

 

この図をみると、遺伝は性格に30〜50%ほど影響を与えていることが分かります。そして、残りの「非共有環境」とは、双子が同じ経験をしない環境のことです。基本的には、「家庭環境以外」の環境だと言えます。

 

友人関係や、職場の関わり、恋愛やサークルなどがこれにあたります。つまり、性格に関わる残りの50%は家庭以外にどんな環境に身を置くかで変わってくると。

 

実は自信の有無は生まれつきによるもが非常に大きく、後から自信をつけようとするのは無謀だと判明していたりします。

 

しかし、これは性格と遺伝の関係。実際に自信とはどれだけ関係があるのでしょうか。性格を長年研究していきたリチャード・ロビンス博士が行った調査では、Webで約32万人の心理学で最も信憑性が高い性格分析big5と自信の相関関係を出しています。その結果は、

 

  • 開放性 0.17
  • 誠実性 0.24
  • 外向性 0.38
  • 調和性 0.13
  • 神経症傾向 0.50

 

外向性と神経症傾向が高い人ほど自信があるということが分かっており、実際に外向性と神経症傾向の54%~58%遺伝で決まるといったことも言われています。つまり自信も性格も半分近くは遺伝で決まってしまうわけです。

性格を変えられる年齢は?

思春期に性格が大きく変わったという人もいるかもしれません。年を取るほど性格が変わりにくくなること想像しやすいでしょう。

 

実際に、タルサ大学の大規模な調査でも思春期に前半に大きな性格の変化が見られるが、30〜35歳にかけて完全に固定されてしまうことが分かっています。

 

そして、30代、40代の性格は90歳まで変わらないんです。

 

多少の変化はあるもののものすごい変化はないとのこと。ただ、20代までは難しいけど性格を変えることができそうです。半分は20代までであれば変えられる、ということですね。

 

それでも、10代前半ぐらいが一番変わりやすく、そこからどんどん難しいくなっていくので性格改善するのであれば、早いうちに行うようにしましょう。ただ、自信にはデメリットもあります。

自信がある人は最終的に損をする

短期的には自信があった方が良いですが、長い目でみればそこまで役に立ちません。

 

心理学者ロイ・バウマイスターの「WILLPOWER 意志力の科学」によると2003年に行った研究では自信と能力の高さには関係性が得られなかったと結論付けられています。

 

それどころか、

  • 長期的には嫌われる
  • リーダーシップが高いということはない
  • とくに仕事ができるわけでもない

 

の3つデメリットが挙げられています。自信が成功や能力の高さと関係があるように感じるのは「自信のある人は自慢が大好きで、自分の成功体験や幸福を言いふらす」からです。

 

確かに武勇伝ばかりのヤンキーなどは成績よくないイメージですね。

 

さらに、もう一つ。同じくロイ・バウマイスターの2007年の研究で「根拠のない自信」は成功の関係があるのかを調べたものがあります。

 

具体的には、成績が悪い生徒を二つのグループに分け、「お前はできる!」と先生に励まされたグループと普通にテストの概要や備考などを説明されるグループを比較しました。

 

結果、「お前はできる!」と励まされ根拠のない自信を持った人の方が成績が悪かったんです。テストが過去の平均点の59点よりはるかに下の39点に。他の実験でも根拠のない自信は成績を下げたり、悪い習慣をやめたりできなくなってしまうようですね。

 

このことから、自信があっても人から嫌われ、リーダーシップもとれず、仕事もできない成績は悪い、悪い習慣をもやめられないなどデメリットが大きいのです。

 

自信がないことは先の障害を予測できることにつながるので、むしろ良いことなのではないかと個人的には考えています。

 

ただ、自信がなさすぎると今度は、うつ病やアパシーのような状態になりかねないので、適度なバランスを保つ必要があります。

それでも自信を付けたいなら習慣化を

食生活や環境などで、性格を変えることがことができるとイリノイ大学が公表しています。これは自分の性格をとにかく変えたい!は朗報でしょう。

 

イリノイ大学によれば、DNAがすべての行動を決めてるわけではなく、後天的な行動や環境によって遺伝子のスイッチが変わっていくことがあるといいます。

 

例えば、いつもは登校中や通勤中に知ってる人を見かけても話しかけないのですが、人見知りな性格を変えるために話しかけるなどです。

 

このように行動を目標に沿った行動を繰り返していけば遺伝子に影響して性格が変わるのです。

性格を変える最強の方法はif-thanプランニング

具体的にどのように性格を変えるかというと、if-thanプランニングという習慣化テクニックを使ったわけです。

 

これは、あらかじめ条件と行動を決めておくことで、決めたことをやる行動率を上げる方法です。AになったらBをするみたいな

 

if-thanプランニングが性格を変えることの効果は実証されています。イリノイ大学が行った研究によると、if-thanプランニングでなりたい性格に沿った行動をとり続けること16週間でBig5(性格分析)に変化が見られたんですね。

 

またイリノイ大の別の実験でもif-than plannigで12週間でbig5に変化が見られたといいます。

 

性格を変えられない理由の一つが自分で決めたルールを行わないことです。繰り返し、淡々といつもと違うこと行動をとり続けることで遺伝子に影響がでるので、変わるまで続けることが大切なのです。

そのうち習慣化して性格が変わる

if-thanプランニングのいいところは、状況+行動というパターンを脳に刻みこめるところです。例えば先ほどの例で言うと、

 

「通勤中に知ってる人を見かけたらおはようと話しかける」

 

という行動を繰り返していくと次第に通勤中に知ってる人を見かけたら、何も考えずに話しかけれるようになるのです。

 

このように状況と行動を結びつけて、パターン化してしまうことでいつもと違うことでも行動しやすくなります。

ハードルが高く行動できない時は

自分に甘いという理由以外にも思ったよりもハードルが高すぎて挫折するとことよくあります。これを「計画錯誤」とか言いますが、人間は目標を立てる時は自分の能力を2倍以上高く見積もるんですね。

 

そのため、if-thenプランニングを設定する時に理想の自分にウキウキして、結構ハードルの高い行動しようとしてしまうのです。ポジティブシンキングだけで目標を達成しようとするのは危険なため、あらかじめ失敗した時の対策を考えておく必要があります。

 

「きっと達成できるだろうけど、もし達成を阻む障害があるとすれば?」

 

このように、ポジティブとネガティブの両方が必要なのです。なので、if- thenプランニングで決めた行動がもしできないとしたら?と原因をリストアップして、その原因が起きたらハードルを下げるとか決めておくのです。

 

例えば、

 

通勤中に知り合いを見つけても、やっぱり自分はそんなタイプじゃないし・・・と考えて行動できなかったらしまったら職場のとなりの席の人に笑顔で挨拶する

 

などです。もしくは別の習慣化したいことを入れるのもアリですね。恐怖を感じたら、瞑想するとか。このようできない可能性もあらかじめ考えておいて、代替え案を決めておくと自己嫌悪にもなり書くなります。

性格を変えるには長い時間が必要

ここまで、イリノイ大学式の性格を変える方法をについて解説しました。ただ、一つ補足をしておくと性格はいきなり変わるものではなく、自分が自覚できないぐらいじわじわと変わっていくものです。

 

あとから人に言われて気づくというパターンが多いほど、少しずつ変わっていきます。そのため、本気で性格を直そうと考えているのなら年単位のスパンで考えいく必要があります。

 

私はものすごく内向的な性格なのですが、自分の性格の強みを理解しているため、あまり変えようとは思いません。

 

もし、自信を付けようと正確を変えるなれば、毎日空元気で行動をとり続けないといけないければなりません。

 

これを考えると自信をつける努力は時間と労力をどぶに捨てる結果になる可能性があります。そもそも、ダイエットの挫折率が高いように性格を変えるプロジェクトも同じく、リタイアする人も多いでしょう。

性格とどのように付き合っていくか

ここまで見てきたように性格を無理に変えるのではなく、その強みを生かしていく方が負担も少なく、メリットも多いです。

 

しかし、アメリカの有名な心理学者ウィリアムジェームズは性格は変えられないが、人は行動は自由に変えることができるといいます。

 

以前、「コアパーソナルプロジェクト」を生かせば内向的でも外向的に振る舞うことはできるお話をしましたが、自分の価値観に沿った振る舞いができる状況を作ることが大切です。

 

価値観とは、人生かけてやり続けたいことです。どんな人でありたいか、何をしたいか、他人とどんな関係を気づきたいか、これらの質問の先に価値観があります。

 

つまり、理想の自分になれる瞬間は性格に関係なく、積極的になることができるのです。例えば、「人の貢献して、自分も成長する」という価値観があれば、積極的に相手への気遣いが増えます。

 

私の場合は、「心理学テクニックの習得」が価値観の1つで、コミュニケーションスキルを高めるためだ!という意識を持つことで積極的に人と話せるようになりました。

 

ちなみに、自分の価値観を知るための方法を以下の記事まとめていますので、参考にしてみてください。

https://teshy-psy.com/2018/09/10/life-value/

自信の変わりにセルフコンパッションを

さらに、もう一つ心理学では自信を強引に付けるよりも、「自分を許せる能力」持つことをお勧めしています。これは、セルフコンパッションという概念で、以下の3つの要素から成り立っています。

 

「自分への優しさ」

「一般的な人間性」

「マインドフルネス」

 

の3つ要素が重なりあって生まれるもの。

 

「自分への優しさ」は文字どおり、自分を必要以上に責めないことです。「一般的な人間性」は人間は周囲との関わりの中で生きているという自覚ですね。一人じゃないって思ってるかどうかです。

 

マインドフルネス」は個サイトではよく出てくる言葉で「雑念に気づき、今に集中する」という概念です。

 

この3つの値が高いと不安の軽減や楽観性や幸福感が上がることが変わっています。セルフコンパッションとは自分を批判せずに自分の幸せを願うことです。

 

あくまでも自信過剰にならず、自分が失敗してしまったことや自分に嫌なことがあっても決して自分を批判をせず、自分に優しくすることが大切です。

 

こうした価値観に沿って生きることと、自分への思いやりを持つことで自信を強引に持とうとするよりも遥かメリットがあります。

 

まあ、基本性格は状況や条件によっていくらでも変わってしまうものなので、自分がどんな時に外向的になるのか、どんな時に内向的になるのかを観察してみると状況に応じて性格を適切に使っていくことができるでしょう。

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